
2026年1月16日、三井住友カードとマイナウォレットがタッグを組み、マイナンバーカードをデジタル財布代わりにしたステーブルコイン決済の実証実験を本格スタートさせることを発表した。
マイナンバーカードが財布に
マイナンバーカードをそのままウォレットとして使い、公的個人認証(JPKI)で本人確認を済ませ、三井住友カードの決済端末「stera」にかざすだけで、日本円連動型ステーブルコインによるタッチ決済ができる仕組みを構築する。専用アプリのインストールや複雑な操作は一切不要で、高齢者や子どもでも気軽に使えるユーザー体験を目指している。
まずは福岡のバスケ会場にて
最初の舞台は福岡市。1月23日と24日に照葉積水ハウスアリーナで開催されるプロバスケットボールチーム「ライジングゼファーフクオカ」のホームゲーム会場だ。来場者はマイナンバーカードでユーザー登録した後、JPYCというステーブルコインを付与される。会場内の売店などでstera端末に金額を表示させ、カードをかざすだけで決済が完了。裏側ではブロックチェーン上で残高が移転されるが、利用者には普通のカード決済と同じ感覚で済む。この実験は福岡市の「実証実験フルサポート事業」に採択されている。
改正資金決済法の追い風受け
背景には、改正資金決済法によるステーブルコインやブロックチェーン決済の環境整備がある。一方で専用ウォレットの操作に不安を抱く人も少なくない。そこで両社は、公的IDとステーブルコインを組み合わせた「誰一人取り残さない」決済を追求。マイナウォレットがマイナンバーカード活用の技術を提供し、三井住友カードがsteraの決済インフラを活かす形で連携している。
今後は連続実験で改良重ねる
単発で終わらせず、スポーツ・エンタメイベントを皮切りに、商業施設、観光地、公共施設、自治体連携のデジタル地域通貨や給付金配布、行政手続きの支払いなど、多様なシーンで実証を繰り返す。各回のユーザーやお店の声を反映しながら仕組みをブラッシュアップし、中期的には本格サービス化を目指す。
海外ステーブルコイン対応も
将来的には国内居住者向けだけでなく、訪日外国人向けの展開も計画。海外発行のステーブルコイン(USDCなど)をstera端末経由で日本の実店舗で使えるインバウンド決済スキームを検討中だ。マイナンバーカードとブロックチェーンが融合した新しい決済インフラが、少しずつ形になりつつある。